「山崎俊夫作品集」上中下+補巻の全5冊揃い

「山崎俊夫作品集」上中下+補巻の全5冊揃い

 「過ぎたるデカダン、過ぎたる耽美、過ぎたる倒錯……」と評された小説家、山崎俊夫。永井荷風の弟子にあたり、明治、大正、昭和の三つの時代で活動しました。

 その作品はキャッチコピーの通り、少年同士の絶妙な親愛関係、穢れに対する絶望ゆえの自死、当時被差別階級であった役者の哀しみなどのテーマが展開する退廃美の極致。たおやかな情景描写の特徴的な文体がまた美しく、古典的な奥深い表現と現代的で滑らかな語感を兼ね備えています。

 

 こちらの全集は、長らく忘れられていた山崎俊夫作品を仏文学者・生田耕作が発掘し、自身の小規模出版社・奢霸都館から出版したもの。発行部数の少ない補巻の二冊までを揃え、代表作から学生時代の文章まで、確認されている作品すべてを網羅できる完全版となっています。

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